満腹な哀愁

ピッカピカにみがかれたダイヤのような静寂も、やがて喧騒が
何事もなかったかのように掻き回してしまう


そんな繰り返しの毎日が素敵でもあり、悲哀でもある

そんな悲哀が醸し出す哀愁がボクは


大好きです



ボクが



通う


生活費発生現象の場には




様々な哀愁が住んでる


とれたての
ほやほやなのが一つ




78歳になったばかりと言う紳士な雰囲気のおじさん



いいことがあったのか気持ちがよかったのか


尋常じゃなくガバガバ飲んで


案の定べろべろに



そしてお会計の際




5千円くらいのお金を



全て

小銭で払おうとするんです




でもね
何度数えても



200円足りないのよ




悲しいかな


足りない訳





おじさんは




また

数えだす




ん～ん





でも足りない




おじさんは



また数える





足りない



（おじさんっ！だから足りないんだってば～）




でもボクは




待つ！





その間







約1時間！





あー


なんて無駄な時間なんだろう





でもボクは黙ってそれを見つめる





（おじさんは最終的にどうするんだろと）


すごく興味が沸いた





と


思った矢先



おじさんははっきりした口調で



「もう一杯飲ませてくれ」





と言った






WHY?



嘘だろっ？





どんな計算したらそうなるの？





おじさんは


「貧乏人は酔う事しかできないんだ」



と



もっともらしい事を言うけど




ボクはその哀愁に拍手した




時間はかかった




でもね


いいの！




哀愁が綺麗に実って


収穫出来たから



いいの！




素晴らしい毎日に笑顔咲かせる為には



時間費やしても



いいの！





おじさん



最終的に


ボクに






「どうしよう？」



って相談してきた



スタンディングオベーション！